ジムでトレーニングをしていると、同じトレーニングでも様々なフォームで行っています。個人的には怪我をしなければどんなフォームでやっていただいてもいいかなと思っています。
もちろん、目的や対象部位から外れることは前提としてですが(^^;
中には正しいフォームでやっていても怪我に繋がりそうな種目や効果の低い種目もあります。今回は色々見ている中でもちょっと注意が必要かなという種目をピックアップしていきます。
やってはいけないという訳ではなく、注意ポイントやコツを知っておけば、ご自身の種目の選択肢が広がるかなと思います☆
ヒップスラスト
最初から意外な種目かもしれませんが、ヒップスラストは注意してほしい種目です。
女性のヒップアップには欠かせない種目になりつつありますが、可動域としてはそこまで大きくないので、お尻をピンポイントで鍛えるのであればもっと効率の良い種目はあります。
胴体が動かない分、ピンポイントにお尻を刺激しているのは確かです。しかし、負荷としては小さいので結果的に高重量のバーベルをのせて行えて、実際の動き以上にトレーニングをやっている感が勝ってしまいます。
ではなぜヒップスラストは注意が必要なのかというと、バーベルをのせる鼠径部にはスカルパ三角と呼ばれる窪みがあり大腿静脈や大腿動脈、大腿神経などの重要な通り道になっています。
鼠径部の総大腿動脈は直径約1cmの太い血管なので、そこに重いバーベルを乗せてトレーニングすることは首を絞められながらトレーニングしているようなもの。くれぐれも気を付けてほしいと思います。
最近ではヒップスラスト専用のマシンなども出てきているので、スカルパ三角に過度な圧をかけないようにできればありかもしれませんね☆
高重量のバーベルを直接鼠径部に乗せてのトレーニングは絶対に避けましょうね!
スクワット
キングオブエクササイズ・スクワットも注意が必要な種目です。
自重やバーベルのバー程度を担いで行う分には問題ないのですが、重量が上がってくると危険。高重量のスクワットと腰痛は切っても切り離せない関係で、バーベルを担ぐことで背骨には大きなストレスがかかり、場合によっては圧迫骨折を引き起こします。
特に高齢者や女性はホルモンバランスも影響し、骨が弱くなっています。くれぐれも無理をして担がず、回数や可動域を調節して総負荷(トレーニングボリューム)を増やすようにしましょう。
スクワットは多くの人が一度は行うトレーニングだと思いますが、必ずしもバーベルを担がなければ筋肉がつかないということではありません。重量を扱うスクワットだけでなく、ジャンプや片脚など自重で負荷を上げていくバリエーション、十分な可動域や筋の緊張時間を維持する方法も持ち合わせておきましょう。
ちなみに正しいフォームを身に着けるには、バーや軽い棒を担ぐことが大切!肩甲骨のポジションをしっかりと正しくキープすることで骨盤のコントロールがうまくできるようになります☆
プランク
動きのないアイソメトリクストレーニングは筋肉をつけるには非効率。もちろん全く鍛えられないことはありませんが、シックスパックを目指す人であれば腹筋のメイン種目はボールクランチなどにするべきです☆
プランクは腹圧をかける練習として行ったり、ローカルマッスルを鍛える運動として少し行う程度でいいでしょう。
多くの人は1分程度のかなり長い時間を耐えることが目的になっていますが、実際は30秒程度でOK。しかし、その30秒は「もうできない!」というくらいの負荷をかけることと、意識をすることが重要です。簡単なポイントとしてはお尻をしっかり締めてみぞおちを引き込むこと。多くの人のプランクは一切お尻に力が入っていないので、体のラインも安定せずとにかく耐える=トレーニングといった大きな勘違いが生まれています。
プランクはペアで行うことで一気に効果が倍増しますので、是非トレーナーに教えてもらってください☆
プランクは姿勢反射機能にも働きかける良いトレーニングなので、一人でやる場合は動きのあるパイクプランクなどを取り入れてみましょう。
懸垂(チンニング)
懸垂はできる人が限られてきますが、是非やっている人を観察してみてください。
多くの人は脚を組んで行っています。それも毎回無意識に同じ脚が上になるように組んでいると思います。座っているときに脚を組むと姿勢が悪くなると聞いたことがあると思いますが、これはトレーニングの時も同じです。
しかも無意識に組んで行う人が多いので、体バランスの大きな偏りに繋がります。もし組むのであれば左右差が出ないように交互にするなど工夫が必要ですが、基本的には組まない方がベター。
一番のおススメは引き上げると同時に、股関節から大きくレッグカールをするように殿筋やハムストリングスにも力を入れること。
広背筋と対側の大殿筋は深い筋膜連結があるので、決して下半身を疎かにしないこと!
さらに広背筋は外腹斜筋・縫工筋といった筋肉とのつながりもあるので、懸垂を行うときの脚は組むのではなく足裏を合わせながらレッグカールを行うようなムーブメントが最適だと僕は考えています。
くれぐれも懸垂は上半身のトレーニングだからと言って力を抜かず、バックライン全体を意識するように行ってみましょう!
ほなね!