Killer Oil

トランス脂肪酸食事
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「殺人油」
なんとも恐ろしいタイトルから始まりましたが、人を殺す油などこの世にあるのでしょうか…?もちろん体に入っただけで死んでしまうということはありませんが、それほど人への害が懸念されている油があるということです。
恐らく皆さんも一度は聞いたことがあると思う「トランス脂肪酸」がその正体です。トランス脂肪酸といえば、マーガリンのイメージを持つ人も多いのではないでしょうか?
マーガリンは毒だからバターを使うなど食卓に気を遣っている人もいらっしゃると思いますが、実際マーガリンにトランス脂肪酸はどれくらい入っているのか?バターには入っていないのかなど検証も兼ねてトランス脂肪酸について書いていきたいと思います。

ReBoRn

トランス脂肪酸とは?

トランス脂肪酸を一言で表すとするならば「人口油脂」です。
以前のブログにも書きましたが、油脂の油は常温で液体、脂は常温で個体のものを指します。トランス脂肪酸は常温の植物油を個体や半固体にする加工の際に発生することが多いため、ショートニングやマーガリンが悪とされています。
加工技術の進歩によりトランス脂肪酸を最小限に抑える加工にはされているようですが、日本ではその表示義務はなく実際はどれほど含まれているか分からない状態です。
例えばトランス脂肪酸を含んでいない油を使って揚げていても、その様々な加工工程の中で生じる温度変化などでも発生していると考えられるので、表記していても信頼性の判断が難しいところです。

平成24年度 内閣府 食品安全委員会 食品健康影響評価技術研究 「トランス脂肪酸による動脈硬化性疾患の発生機序の解明と健康影響評価手法の確立」より

「トランス脂肪酸ゼロ」という表記がある商品でも、その原材料にマーガリンやショートニングがあればゼロではないと思っておくほうが無難かなと思います。
もちろんその量は多くないと思いますが、摂りすぎないように気を付けておきましょう!

トランス脂肪酸は摂るとどうなる?

では実際にトランス脂肪酸を摂りすぎるとどうなるのか?研究で発表されている内容をざっくりとまとめてみます。

・冠動脈疾患の増加
・LDLコレステロールの増加
・LDLが小さく(より悪玉となる)代謝分解されにくくなる
・HDLコレステロールの減少
・中性脂肪の増加
・慢性炎症変化の亢進
・血管内皮機能の悪化

など…まぁいいことは何もありませんね(^^;
ただ、トランス脂肪酸にももちろん種類がいくつかあり、加工食品中に多く含まれるエライジン酸やリノエライジン酸は毒性が強いものの、反芻動物由来食品に含まれるバクセン酸などの天然のトランス脂肪酸は比較的毒性が低いという東北大学の研究データもありました。

トランス脂肪酸が含まれる食品

マーガリンにトランス脂肪酸が含まれているなら少し高くても明日からパンにはバターを塗ろうと思ったそこのあなた!w
残念ながらバターもトランス脂肪酸がゼロとは言えません。実はこのトランス脂肪酸は人口的に作られるものというイメージが強いですが、自然界にも存在します

その代表が反芻動物。有名なのは牛ですが、反芻とは食物を飲み込んだ後、胃で部分的に消化した後にまた口に戻して咀嚼するという過程を繰り返して消化を行うことです。
二回目ってどんな味がするんでしょうね…ちょっと興味ありますw
牛は草食動物ですが、まず第一の胃で消化するときには植物にいる微生物の力を使って消化します。胃酸などはほとんどなく他力本願。この時に実は微生物の働きによってトランス脂肪酸が発生するんです。

ちなみに胃は四つに分かれており焼き肉屋ではどれも食べることができます。決して最初のカタカナで注文しないように気を付けてくださいねw
第一の胃:ルーメン=ミノ
第二の胃:レティキュラム=ハチノス
第三の胃:オマスム=センマイ(←僕は一番好きw)
第四の胃:アボマスム=ギアラ

トランス脂肪酸の摂りすぎに注意!

では具体的にトランス脂肪酸の量をどれくらいに抑えればいいのか?
WHOは総摂取エネルギーの1%以下にしましょうと言っています。例えば女性で一日1,500kcal摂取している女性であれば15kcal。
脂肪1gは9kcalなので約1.6gということになります。が、はっきり言って甘すぎです!!!w

オメガ3などの多価不飽和脂肪酸も毎日こんなに摂れていないのに、トランス脂肪酸をこの量摂っていたらマジでキラーですw
全ての栄養素に共通して言えることですが、何事もバランスが重要。動物性脂質に偏った食生活でトランス脂肪酸をこんなに摂っていたら細胞がダメになります。
細胞膜の構成成分は脂質。普段からどれだけ良質な油を摂取しているかは若々しさを保つうえでも大切です。
ジャンクフードばかり食べている子どもは今の大人より老けて見られるんだろうなぁ…といつもマク〇ナル〇を横目に見ています。

理想的な脂肪の割合

まずトランス脂肪酸に関しては限りなくゼロに近づけることが良いです。ジャンクフードやスーパーの揚げ物総菜、牛肉や乳製品などには必ず含まれていると考えると無意識に摂ってしまうことはあるかもしれませんが、これらの食品を極力摂らないように心がけることは大切です。
その上で、それ以外の飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸の割合を1:1:3程度にすることが理想になると思います。
多価不飽和脂肪酸に関してはω6とω3があるのでそれらも分けて考えると…

飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:ω6:ω3=1:1:2:1

ちょっと分かりにくいかもしれませんが、例を挙げて計算すると、一日の摂取カロリーが1,500kcalの女性の脂質が占めるエネルギーが30%であった場合、450kcalが脂質由来となるので合計で50g。
それを上記の割合に当てはめると飽和脂肪酸が10g、一価不飽和脂肪酸が10g、ω6が20g、ω3が10gになります。
これくらいの意識で摂るようにしていかなければなかなか動物性の脂質も減っていくことはないでしょう。10gだとステーキ一口くらいかもしれませんねw

サラダのドレッシングなどはω3が豊富なえごま油や亜麻仁油とお酢、醤油を混ぜてゴマなどでアクセントをつけた自家製ドレッシングがおススメです。
サラダ油やごま油はω6、オリーブオイルは一価不飽和脂肪酸と考えていただけるとω3がいかに不足しているか分かると思います。
もちろん肉を食べすぎて飽和脂肪酸を摂りすぎたからといって、その他の脂質もたくさん摂ってよいという訳ではありません。動物性の飽和脂肪酸をいかに減らした食事をしていくかがポイントですね。

ほなね!

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